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[経済づくり]持続可能経済事業の推進と援助

経済づくりコラム







(C)EU(欧州連合)を取り巻く現状
(1)EUに加盟している国々も、グローバル化による国家統治能力の限界という問題に直面

①EUが現在直面している危機のひとつは、ドイツが輸出主導のグローバル戦略を追求しユーロ圏のインバランスを発生させたことにある


②ドイツは2000年代から構造改革・労働市場の規制緩和を実施し、実質賃金の上昇を抑制した → 国際競争力を強化し、輸出主義の成長戦略を推進 → 貧富の格差・中産階級の実質賃金の低下


③ドイツの貿易黒字 → 他EU国貿易赤字 → ユーロ圏のインバランス為替レートによる調整という手段がないため貿易不均衡は固定化される


④貿易赤字 → 貯蓄不足 → 政府と民間は対外債務に依存し増す


(2)2008年以降不動産バブル(サブプライムローンなど)が崩壊する

①ギリシャをはじめ、アイルランド・ポルトガル・スペイン・イタリアなど一連の債務危機勃発
加えて、マーストリヒト条約※によって、財政金融政策や為替政策によって景気回復を図ることを厳しく制限されている

 ↓

②欧州中央銀行が単一通貨政策を実施したため、各国は金融政策や為替政策の権限を失う
→ 財政赤字はGDPの3%以下、公的債務残高はGDPの60%以下に制限

 ↓

自力で自国民救済の困難 ← 各国で資本徴収して加盟国救済

 ↓

③EU加盟国間の格差が拡大すれば加盟国間の連帯は崩れ求心力を失う心配がある


※マーストリヒト条約 : 欧州連合(EU)創設のため、オランダのマーストリヒトで開かれたEC(ヨーロッパ共同体)首脳会議で合意された欧州連合条約の通称



(D)新興国を取り巻く現状
(1)中国・ロシア・インドといった、新興国の台頭は著しい → 2008年以降の世界不況は先進国以上に厳しいものがある

①東アジア新興国の成長は外需 → 世界金融危機発生で縮小
財政金融政策による内需拡大すべき → 国内統治機構が安定していない → 実効性に乏しい → 階級や民族を越えた同胞意識がない → 財政金融政策を実施しても一部の特権階級や民族集団が恩恵をこうむるだけ


②中国やロシアは、内部に少数民族との紛争や対立の問題を抱え、階級間や地域間格差が大きい


③中国は少子高齢化が進み、労働力不足を招き、賃金を上昇させるので低賃金労働力を失う → 民主化につながれば国内秩序は不安定化する
社会保障が整備されていない → 国民は貯蓄重視で消費意識が低いので需要刺激策の効果が薄い


④冷戦以前は社会主義国が多く、資本主義が引き起こす金融危機に対処する経験不足 → 財政金融政策が行き過ぎたものになりかねない


(2)新興国にとっての脅威は外国の侵略よりも国内紛争の勃発