勝ち組から価値組へ…日本文明・文化に根ざした次世代の価値観
祀祭政一致の国 日本
日本は縄文時代から1万年以上も続いている世界最古の国だ。その永い歴史の中で日本人は宇宙森羅万象の普遍性である「多様性の融和(ムスヒ)」を国家精神(霊性)としてきた。それが、独自の融和循環型の文明を築いたのである。
◆宇宙には3つのエネルギーがある
日本文明・文化には、宇宙と同じリズムがある。左頁の図は、それをわかりやすく整理したものだ。
宇宙森羅万象は、見えるものの存在(体エネルギー)、見えないものの存在(生エネルギー)無限を秘めている霊的存在(命エネルギー)があり、日本人は太古からそれを感知していた。そのエネルギーをムスヒ=神と呼んだのだ。
つまり、ムスヒとは自然の摂理そのものを言う。自然界にはさまざまな矛盾も存在する。しかし、全体でそれぞれが有形・無形に繋がって生かし合っている。
◆3つのマツリゴト
融和の精神から3つのマツリゴトが生まれた。それぞれ3つの崇拝が、日本の文明観となったのである。そして3つの崇拝から3つの秩序が生まれた。
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精霊崇拝の祀りごと→生命の秩序
自然界に存在するあらゆるものの中に 尊い生命が宿っている。
仏教・密教・景教・土俗信仰はその象徴。
そこから古木の注連縄や、包丁や針供 養などの文化が生まれた。
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自然崇拝の祭りごと→自然の秩序
自然界の偉大なる神秘的霊的エネルギーを畏敬する。
古神道・道教・修験道はその象徴。
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祖先崇拝の政りごと→社会の秩序
宇宙森羅万象から生み出された万物、その物事の成り立ちを大切にする精神を社会規範とした。
儒教・回教・基督教はその象徴。