「政・官・財」の腐敗から、宗教界・言論界に巣食う権力悪、マスコミが見逃している事件の真相などをズバリ語られる山本峯章先生。今年9月に、31冊目の著書『民主主義が日本を滅ぼす』を出版。民主主義とは何なのか、国民主権とは? 日本社会における政治的な課題からお話いただきました。
日本の外交は、先の尖閣列島に対する政府対応から見ても、民主党と自民党は、この国の国土・国民を守る国家主権の意識がないのです。
まずは民主党を見ていきましょう。
菅首相の言う「国民主権」とは?
菅首相が代表選挙の時に連呼した「国民主権」とは? これは実態のない空語です。

また「国民主権」の主たるものは、国を守る交戦権です。主権とは、中世のフランス思想家ジャン・ボーダンが「国家には誰にも犯されない権利がある」と言った。
哲学者トーマス・ホッブスは、もしも国民一人一人が誰にも犯されない権利を持ったならば、万人による万人の闘争が起きてしまう。国がしっかり国民を守る態勢があって、自由や安全が保証されると言っています。
今の政治家は、国家主権ではなく、地方や国民主権ばかり主張しますが、国民主権といっても、あるのは選挙権と政治の参政権だけです。
民主主義は、18世紀にフランス革命で、ルソーの民主論とロックの人権天賦説が合わさって出来た、いわば、王制や専制を倒すための革命の理論なんです。
アリストテレスは2千年も前に、民主主義とは衆愚政治だと見抜いていました。チャーチルは、専制王制や独裁よりましだが、ベターではないと言っている。
民主主義も国風化
日本の国は、古代から思想や宗教や科学技術などが大陸から入ってきましたが、それらをそのまま受け入れず、日本に合うように変えていく国風化をしてきました。
例えば、仏教でも、インド仏教と日本仏教は違います。中国の儒教からは武士道が生まれました。
ところが、戦後、アメリカから民主主義を持ち込まれ、そのまま受け入れてしまった。アメリカは一神教、日本は多神教ですから価値が一つではなく曖昧な文化です。そういう成り立ちを含めて、そろそろ民主主義も国風化しなければ、日本的民主主義は育ちません。
また、近年、しきりに叫ばれている規制緩和では、民主主義の公平平等の達成は、規制がなければできません。
例えば、歩道に車を乗り入れたら、歩行者は危なくて歩けない。車道に人が所かまわず出ていけば、車を運転する人は安全な自由がない。規制の中で、安全な自由が生まれてくる、規制なき自由は野蛮な自由になるのです。
民主党という政党

9月の代表選では、外国人がサポーターとして投票権を持っていいと言った。一国の総理大臣を外国人が選べるということです。これはとんでもない憲法違反です。参政権とは、憲法では国民の権利と書いてあり、住民の権利とは書かれていない。国民とは国籍を持った者で、外国人は住民です。この問題は外国人参政権にもつながります。
また、菅首相も小沢さんも、靖国神社に行かない理由を、A級戦犯が祀られているから、と言いました。ところが、日本にはA級戦犯はいません。昭和27年に、先の大戦で戦った人たちに「戦犯はいないという国会決議」をしているからです。
政党には、それぞれにイデオロギーがあり、何をして、どういう国を作りたいかの党綱領がありますが、民主党は党綱領がありません。社会党の左派から自民党まで、いわゆる寄せ集めと言われ、政策の整合性、ましてや国家観も歴史観もない。これは民主党の大変な欠点です。
小沢氏の復権はあるか?
復権できるかどうか、今月、検察審査会が結論を出します。その時に、起訴相当と出たらなかなか復権は難しい。しかし、不起訴であれば何とか復権の可能性が出てきます。
菅首相の政権は来年3月、予算・法案が通過できるか、ここがヤマ場です。