今の常識を打ち破り「意識変革」するために必要なこと
3つの要素で構成される
意識変革の根幹とも言える「万物の構成原理」を説明しよう。万物は、次の3つの要素で構成されている。
①間性原理
②陰性原理
③陽性原理
この3種類の違いはなかなか理解しにくいかもしれない。しかし、物事を表から見た場合、表が表で、裏が裏になるのだが、裏から見れば、裏が表で、表が裏になる。同じ物でも、見方によって変わるということだ。
宇宙は螺旋状で生きている 、永遠普遍なる存在だ。そして、地球上に存在する万物は宇宙から生み出されているのだが、すべてが間性・陰性・陽性の相補関係で成り立っている。
それを表すと、図①になる。中心の点(ちょん)は陽性原理、周りの渦は陰性原理、その中間は間性原理である。
「ちょん」は「すべての始まり」であり、そこから周りができるのだ。地球も同じ構造である。世界地図(図②)を見て頂くと、内側の日本が「ちょん」で、中間は海であり、その周りを大陸が取り巻いている。日本が始まりであると捉えることができる。
①間性原理 図③
間性とは、水のように、平素は液体であるが、固体(陰性)にも気体(陽性)にも変幻万化する性質のことだ。
内面も外面もなく、環境に応じて陰性原理にも陽性原理にも変幻万化する。これこそが日本精神である「ムスヒ」ということだ。
②陰性原理 図④
内面…陽性原理
外面…陰性原理
中面…間性原理
外への作用は陰性原理中心
③陽性原理 図⑤
内面…陰性原理
外面…陽性原理
中面…間性原理
外への作用は陽性原理中心
構成原理の特長
陰性・陽性の原理は、原理が働く時は「外面」が動かすのだが本質は「内面」にある。環境に応じて陰性にも陽性にも変幻万化するのが「間性」だ。
間性・陰性・陽性原理には、それぞれ特長(図⑥)があり、文明の特長も表すことができる。
日本文明は間性原理、東洋文明は陰性原理、欧米文明は陽性原理となる。
陰性原理と陽性原理には、もともと中間に「間性」があるが、現在の欧米文明にはこの概念がなく認めていないので、間性があるのは日本文明だけだ。
後述するが、欧米文明は支配型だ。支配型の論理は見える世界だけしか認めないので、間性という論理はない。
日本文明は、間性原理を中心に、ムスヒ=融和の精神にもとづいて、陰性原理と陽性原理をT(時)P(場所)O(機会)に応じて臨機応変に「即応」させることができる文明だ。これを「権化(詳細は36頁)」とも言う。
まだまだ研究を深めていかなければならないが、この世で起こっているいろいろな現象を分析し、整理することができるのである。
現代は陽性原理の社会
現代社会のさまざまな問題を、万物の構成原理から見ると、古代の間性原理中心社会から陰性原理中心社会へ、さらに陽性原理が中心の社会へ移行したことにある。
別の表現をすれば、月中心社会から太陽中心社会へ、さらに土中心社会へ移行したということだ。
間性原理中心…象徴が月
↓
陰性原理中心…象徴が太陽
↓
陽性原理中心…象徴が土(星・地球)
自然と共生してきた農猟社会は、月を中心に文明が発達した。月の満ち欠けには不思議な力があるとされ、月の周期が生活の周期でもあった。太陰暦はその名残りである。
女性の生理は月のものと言われるが、月の周期と同じ28日だ。つまり、いのちの周期と言える。
それが農業革命によって、自然を開拓し耕作するようになった。すると、おのずと太陽エネルギーが重視されるようになったのだ。
つまり、月(水)エネルギーよりも、発育に大きな影響のある太陽(日・火)エネルギーの方が、重んじられるようになった。同時に水田という土地の大きさによって収穫が決まるため、利権をめぐって争いが起こるようになる。
古代の遺跡の発掘によって、弥生時代には、集落を外敵から守る塀や柵があるが、武器がほとんど見つかっていない縄文時代の集落には、塀などは見つかっていない。