[人間づくり]総合人間教育学の普及と援助

人間づくり対談



横尾正文(よこおまさふみ)
神石高原町議会議員 (株)神石共同運送代表取締役

木原理事長のもとで運命創造学を16年間学ぶ。昭和39年創業の運送会社を引き継ぎ、お客様と従業員を大切にする日本型の経営(生かし合いの経営)で会社を立て直す。昨年11月町議会議員に初当選。国づくり人づくり財団特別賛助自治議員 


木原
昨年は町議に当選され、おめでとうございました。お父様の運送会社を引き継がれ、社長として頑張られながらの町議当選でしたが、挑戦するきっかけからお聞かせください。

町議選へ挑戦したきっかけ
横尾
ありがとうございます。これも木原先生のお陰です。 私の住んでいる神石高原町は広島と岡山の県境にある田舎です。高齢化が進み、若者も人口も減少傾向にあります。それを少しでも何とかしたい気持ちで、10年前初めてトライしてみようと。

その時、先生にご相談しましたら「まだ早い。10年後に考えてみては」のご指導。また『あぶりだし』という霊能でも「当選しない」という結果でしたが、当時は会社も不安定な時期で、例え当選しても町議との両立は、かなり無理がありました。 ただ、選挙は4年毎なのに「10年後」と言われた言葉が耳に残りました。  

それが、町村合併で選挙が10年後の昨年になったのです。このような不思議なことはこれまでもありましたが、改めて凄いと感嘆しました。

お陰様でこの10年間は、先生から宇宙本位経営法を学び、経営指導もいただきながら、会社の体制を調え、昨年は2ヶ所に営業所も開設できました。大手の同業者が規模を縮小している中で、本当に感謝しております。


地方の現実
木原
昨年のガソリン高騰で、横尾さんの会社も大変だったようですが、今年も世界的な金融危機の影響で大不況になりますから、正に正念場ですね。私も「国づくり人づくり」の推進を通じて、ますます大変になると感じてます。特に、地方は随分厳しいのではないですか。

横尾
はい。例えば、町にある県立病院は、毎年何億も赤字が出ており、3月末で町営になります。病院運営の約9割が人件費です(19年度で88%)。病院は町民の健康と直結していますが、ダメなら廃止になるでしょう。  

人口1万2千人の我が町だけでなく、大阪の松原市(12万7千人余り)でも同じ問題があります。日本では開業医のほうに優遇措置があるという状況も関係しているようです。全国の自治体は、こういう事態をどのように解決しながら運営していくのか、深刻な問題を抱えているわけです。

木原
これからの時代は、住民が行政や地域に参画し、政策を提案し運営するという事も大事だと思いますが。

横尾
私もそう感じ、公約を①若者の定着と②自立した町づくりにしました。そうならなければ行政は絶対成り立ちません。

木原
大阪の橋下知事は、新しい発想をどんどん持ち込んで、大改革していると言われているようですが、新しいモデルになるのではないかと思います。しかし、地方も疲弊化して閉塞感にあっても、国民は戦後60年間の平和で、どこか他人事のように思えてなりません。確かに新しい運動も起こりつつあようですが、今ひとつ決起していないように感じるのですが。

横尾
先日、町議会の勉強会で、明治大学の中邨先生に「日本の行政サービスは世界1」と教わりました。しかし、それが当たり前になると、ちょっとした事でもサービスが悪いと。では町民が動くかというと、そうはないのです。

木原
住民も客観的に判断ができるよう知識を持つことは、これからの社会作りにおいて重要だと思います。ただ、非常に怖いのは、最近は保守と改革とに大きく分ける潮流があると思います。確かに、改革とか見直しは必要なのですが、易・不易というように、変えていいものと変えてはいけないものがあると思うんです。日本には縄文時代から創り上げてきた、日本独自の文明・文化があります。それが、国体となって国が出来上がってきた。新しいものが悪いのではなく、安易に良い伝統が打ち消されたり、捨て去られたりして、新しいものに組み替えられていくことは、危険だと思うのです。

横尾
私は憲法改正や今年から始まる裁判員制度などに、疑問を持っています。昨年、無実の罪で服役が終わったあとに、真犯人が見つかったという報道がありました。その道の専門家ですら難しい判断を、素人がすることになるのです。住民の参加は大切ですが、判断するためのモラルや人間性がなければ、大変な事になるのではと感じています。

木原
上に立つ方々にもこういう点が、欠けている気がするのです。市町村もそうですが、これからの日本をどのように組み替えていくのかという明確な軸が見えてこない。それともう一つ、私が危惧しているのは、今の経済のしくみです。「経済」は非常に大事です。しかし、現代の大企業中心の経済システムでは、一極集中になり、大きな偏りができてしまう。

(次回に続く)