9つの立国構想

CMF地球運動提唱者 木原秀成




何をやっても抜け出せない、日本社会に立ちはだかる壁
固くて高くてぶ厚い壁
バブルの崩壊から20年。日本経済は未だ闇の中から抜け出せていない。お金のばらまき政策に、おおっぴらに行った仕分け、雇用対策など諸々も結果としては根本解決にならなかった。世界経済同時崩壊の危機も真実味をおびつつある。そして東日本大震災。

何をやっても、誰がやっても、どうにもならない現実がある。

これを打開するために、実は目の前にあるのに、見落としている大きな大きな問題がある。それが私たち人間の「意識」だ。これが固くて余りにも高い壁となっている。高すぎて、どのくらいの厚さなのかわからないが、ぶ厚いのだけは確かだ。

しかも、壁は当たり前のように立ちはだかっているので、壁があることにすらもう誰も気がつかなくなってしまっている。

さらに悪いことに、みんな色メガネをかけている。その色メガネも、かけていることに気がついていない。だから、その壁の本当の材質を誰も知らないのだ……まずは、そんなバーチャル空間を思い浮かべてみて欲しい。

その空間では、例えば、エコ対策をしましょうと、窓に光を遮るカーテンをする。しかし、色メガネをかけているが故に、カーテンは逆に光を吸収するものであったとしたら…やってみてダメなら、次の手を打つが、それも色メガネに阻まれる…いくら対策を打っても空振りの理由がわからなければ、こんなおかしなことが繰り返されるのは当然だ。

意識を変えなければ何も変わらない
外から見れば、まずは色メガネを外せば良いことは明白だ。しかし、色メガネを外そうという意識がない。だから壁も破れないのだ。

こういった現象を別の角度から説明してみよう。経営学者の伊丹敬之氏は、時代の現象を数式で表し、次のように言っている。

制度・慣行=環境×原理
日本社会は、明治維新と世界大戦後の2度、大きく環境も原理も変えてしまった。しかし、今は環境は変わっているのに原理を変えていない。原理を変えなければこの方程式は成り立たない。ここに日本の問題がある。

この方程式に、江戸時代と現代を当てはめてみたのが下図だ。260年続いた徳川時代からの世界デビュー。開国によって受けた衝撃は、どれほどのものだっただろうか。当時はヨーロッパが世界を植民地化しており、日本とタイ以外の有色人種はすべて白人の支配を受けていた。

またあらゆる技術が日本に入ってきた。何よりも考え方は天と地がひっくり返るくらい違った。誇りある仇討ちは、野蛮な殺人と言われた。聖行だった尊い仕事は、つらいものだと言ってきた。そして、誇りと伝統の象徴でもあった刀やマゲは取り上げられた。

それらがどれほど屈辱的な意識改革だったのか、現代の私達は知るよしもない。もちろん悪いことばかりでもなかったのかもしれない。しかし、受け入れがたい価値観もあっただろう。

そして、この大きな「意識変革」によって、現代の経済環境や、社会環境が作られてきたのだ。何度も言うが、変わることが悪いわけではない。しかし、それが人を幸せにするものだったのか。豊かなものだったのか。持続可能なものであったのか…そうなると話は別だ。是が非でも、現代流の江戸の環境や原理を創造しなければならないのだ。