真のグローバリズムとは
今から20年ほど前の80年代末ぐらいからアメリカからのグローバリゼーションの波のなかで、バブルの崩壊もあって日本型経営が批判されて、経営学をつらぬく基軸、すなわち経営哲学、経営理念とでも呼ばれるような中核の部分がおかしくなってまいりました。私自身も、グローバリゼーションイコールアメリカンスタンダードの実現ではない筈なのだがと、論壇において日本型経営をすべて、米国型経営へおきかえようとする動きに、大きな危惧の念をもっておりました。そのような時にお会いして深い感銘と影響を受けたのが、木原秀成理事長でした。  

そこで私はいわゆるグローバリズムは偽物で、人類へ幸福をもたらさず、そのうち馬脚をあらわすにちがいないこと、真のグローバリズムは宇宙本位主義(コスミカリズム)にたっていなければならないこと、その教えの淵源は、日本古来の古神道の世界や、弘法大師空海のお説きになった真言密教の世界にあるということがわかってきました。とくに密教の世界が絵解きされている両界曼荼羅へ強くひかれていきました。  

あの時、木原理事長にお会いできたことは本当に幸いでした。その時以来、私は欧米経営学(なかでもとくに東洋に近いバーナードの経営思想には強くひかれますが)を出発点基盤としながらも、日本の風土や文化に根づき、真のグローバリズムである万類共生の宇宙本位主義に立脚した新しい真の経営理論の探求を始めています。

そういうことを煮詰めていくと、世界に向けて私達の真の本格的な経営理論を発信できる日も、近いのではないかと思います。木原理事長を大先達として、みんなで協力しあって、私もそのなかの一員としてがんばってまいりたいと存じます。


コスミカリズムの立場にたった新しい視点の経営
さて、いま取り組んでいることに、公的経営学があります。これは従来のほとんどの経営学が私企業を対象にしていたのを、行政や公企業等へ研究視野を拡大しようとするものです。ですから、当然のこととして政治学・行政学と重なるところに研究領域がうつっていくことになります。  

これは現在、社会保険庁などで問題となっている行政改革・公務員制度改革へつながる、時代の要求を反映する重要な研究分野であります。ここでも、私は木原理事長から貴重なヒントを得ています。それは、人はどんなときにどんな状況下で、心の底からよろこびをもって働く気持ちになれるか、つまりモチベーション(動機づけ)に関することです。私は真のモチベーションと最近流行のインセンティブ(金銭的刺激)とをはっきり区別しています。   

木原理事長が示唆しておられるように、真のモチベーションにとって労働環境や作業条件、あるいは給料・賞与などの金銭的報酬はたしかに必要条件ではあるが、十分条件では決してなく、究極的には仕事そのもの労働そのものを通じて、人として成長を体感できることのなかに、真のモチベーションがあるということです。そこには責任の増大をいとわないチャレンジングな態度があります。  

公的経営を考えるばあい、その要である人的資源の任用・開発・登用・活性化が焦眉の課題ですが、このモチベーションの問題はきわめて大切です。インセンティブをいくら与えても駄目です。真のモチベーションが生み出されるような仕事のしくみおよび人事システムとその運用が切に求められています。  

このような次第で、私は経営に対する新しい視点・視角・視野をコスミカリズムの立場にたって拡大深化させつつ、国づくり人づくり国民運動の一端を微力ではありますが、具体的に担っていきたいと考えています。まだまだ未熟ですので、どうかよろしく皆様からの御指導御鞭撻をいただけるようにお願い申し上げます。